日本語で歌詞書くのムズすぎワロタwww

マツミヤカズトのGEEKコラム
スポンサーリンク

英語のような日本語歌詞

桑田佳祐の独特の「日本語」

桑田佳祐さんといえば、その独特の歌唱法で知られ、モノマネの定番にもなっています。
彼がなぜあのような独特の歌唱法、節回しになったかと言うと、それは彼が「日本語を英語のように扱っているから」だと言うのは有名な話です。

わざと英語に聞こえるように日本語で遊んだりもします(逆空耳アワー)。例えば「Skip beat=スケベ」とか。

彼の作る歌詞とメロディーは、日本語であるにも関わらず「一音に一文字」でない場合が多く見られます。
わかりやすい例を挙げます。

※サザンの曲は全くyoutube上がってないので、こちらで再生してみてください。

‎サザンオールスターズの「太陽は罪な奴 - Single」をiTunesで
‎"太陽は罪な奴"、"君に贈るLOVE SONG" を含む、アルバム「太陽は罪な奴 - Single」の曲をプレビュー、購入、ダウンロード。 アルバムを¥500で購入する。 1曲¥250から。
Amazon | 太陽は罪な奴 | サザンオールスターズ, 桑田佳祐, 松田弘, TOMMY SNYDER, 片山敦夫, 中西俊博 | J-POP | 音楽
太陽は罪な奴がJ-POPストアでいつでもお買い得。当日お急ぎ便対象商品は、当日お届け可能です。アマゾン配送商品は、通常配送無料(一部除く)。

顕著な例として【太陽は罪な奴】のサビ部分を、一音(音節)ごとに切って行きます。

こう/きあつ/は/ビー/ナス/たち/の/こう/さ/て~~~ん/
あい/よく/に/とー/き/めー/く/STA/GE/

この【きあつ】のところ、すごくないですか? 一音に3文字ものってるんです、日本語なのに。ていうか他のところも【こう】【ナス】【たち】とか、平気で2音ずつのってます。

これがなぜできるかと言うと、桑田佳祐さんは【二重母音】【子音だけでわかる発音】を知り尽くしているからでだと思います。

二重母音とは要するに母音が連続する単語のことで、上記の歌詞に出てくるものだと

こう【KOU】
あい【AI】

がそれに当たります。

他にも適当に上げてみると「苦い」【NIGAI】のAIの部分とか、「使命」【SHIMEI】のEIの部分がそうです。「見える」「期待」「態度」「会話」とまぁいろいろ出てきます。

で、二重母音を使うと、母音単体の部分は前の音とまとめてしまうことが可能になります。

上記の中でも「こう【KOU】きあつ」「こーきぁっ」になっていると思いますが、この「こう」が「こー」になるのを「二重母音の長音化」と言います。
実はこの二重母音の長音化は、我々の日常会話では当たり前です。
例えば動物の「ゾウ」を「ZO-U」と、ウの部分をはっきりという人はいないと思います。「ぞー」って言ってるはず。

こちらの動画の3:07あたりをご覧ください。

【お笑い】 笑い飯 関西サイクルスポーツセンター~かわいそうな象

 

また【子音だけでわかる発音】も同様に、前の音と一緒にまとめられます。

例えば「つ」【tz】「ち」【ch】、「す」【s】、「く」【k】、し【sh】などが上げられます。

この曲ですごいのは「きあつ」部分です。
まず「きあ」で二重母音、そのうえ「つ」は【tz】で、ググッと一音に収めることができます。
【KIATSU】ではなく【Kiatz】と言ってる感じですね。

他にも例えばファックスっていう単語は1音でいけます。
【FA-KKU-SU】ではなく【Faks】と言う具合に。

今あなた、騙されましたね。ファックスって英語ですから!!!当たり前でしょうが!!!

日本語でいうと例えば「理屈」を【RI-KU-TSU】ではなく【Riktz】と発音すれば一音に収めることができますね。他にも「小突く」「記憶」「タイツ」「バイク」などで可能かと思います。まぁ、後半英語やけどな。

このようにして桑田佳祐さんは、ものすごく選択肢の少ない中から二重母音や「つ」「す」「く」(他にもありますよ)といった音が含まれた単語を選びとって、ある程度歌詞の意味をないがしろにすることもありながらも、英語っぽい音韻のビート感を「発明」したわけです。
(サザンの歌詞は冷静に読むと意味がほぼわかりません笑 それも桑田マジックです)

「きあつ」の部分を歌ってみると、昔ながらの日本語的な歌い方でないことがよくわかると思います。
ちょっと桑田佳祐のモノマネをしてるような気になりませんか?
そう。それが桑田佳祐のあの独特の歌唱法の理由だと、僕は考えています。彼はこういう、一音にグッと単語を詰め込んで海外8ビート的な言葉のリズム感を得るために、あのような歌い方になったのだと思います。

そこだけ急に洋楽っぽい歌い方になってもおかしいので、普通に一音一文字のところも、グネグネと揺れるような、日本語的でない発音で歌うことで全体がスムーズに、一連の「クセ」として流れるようにしているのだろう、と。

※そういうビート感+日本の歌謡曲的なメロディーのハイブリッドであることが、サザンや桑田佳祐の魅力だと言えると思います。

一見ただ変な歌い方で個性を出しているように見える(失礼)ボーカリストにもそういう理由があるのだというのがわかっていただけたかと思います。

もちろん彼らもそればっかりやってるわけではないですが。全部二重母音とか子音にしてたら歌詞なんて書けないっすから。
でもポイントポイントでこういうテクニックを入れることで、日本語をロックやポップスのビート感に近づけられるということです。

他のミュージシャンも一応

もう一人だけ、特徴的な人物を紹介しておきます。

川本真琴「愛の才能」
せい/ちょう/し/ない/って/や/く/そ/く/じゃん/
(中略)
あい/の(ぅ)/さい/のう/ない/の(ぅ)/
い/ま/も/べん/きょう/ちゅう/よ/そうる/

で、こういう、二重母音や子音だけの発音を巧みに扱った、「日本語歌詞を英語のようにメロディーに載せる」テクニックの極致が、こちらになっております。

MONKEY MAJIK × 岡崎体育 / 留学生

 

別にこういう歌詞の乗せ方が優れているなどというわけではなく、日本のポップソングの歴史の中で生まれてきたひとつの方法論です。

逆に、フジファブリックの志村さんという人はあえて昔ながらの日本語的な一音一文字のリズム感で歌詞を設計することが多いように感じます。
彼の一文字一文字区切るような、あるいはのっぺりとした歌い方が日本人の心に染み入るような気がするのはそういう節回しによるところもあるのではないでしょうか。
できるだけテンポの速い曲を探してきました。このサビの部分を一音ずつに分けてみます。

フジファブリック 『夜明けのBEAT』
ば/く/ば/く/なっ/て/る/こ/どう/
た/び/の/は/じ/ま/り/の/あ/い/ず/さ/
こ/れ/か/ら/まっ/て/る/せ/かい/
ぼ/く/の/む/ね/は/お/ど/ら/さ/れ/る/

ほぼすべて一音一文字になっているのがわかると思います。

一音二文字になっているのは「鼓動」【KODOU】のOUと「世界」【SEKAI】のAI の二重母音が2回だけです。それから「なっ」などの小さい「っ」(促音)だけです。

合図【AIZU】のところだって【Aiz】を一音に収めることもできますが、それはしていません。

桑田佳祐さんが多用する【子音だけでわかる発音】のはずの「ばくばく」とか「ぼく」の【k】もしっかり一音与えて発音しています。

こういう、日本語っぽい歌詞の乗せ方をする人として思いつくのは、例えばスピッツ、aiko、奥田民生なんかがあげられるかなと思います。

いやまぁ、何度も言いますが全部がそうだとも言えないんで、なんとなくの傾向ですけどね。
ちゃんと研究してる人がたぶんおると思うんで、興味があれば探してみてください。

な?むずいやろ?

現代において我々が作る音楽のほとんどがルーツを西洋にもつものだと思います。

ジャパニーズメロコアでもシティポップでもフォークでも、その系譜において完全に海外アーティストを無視することは不可能なはずです。
しかし、英語を基準にして成立しているビート感に対して、何も考えずに単純に音符に一文字一文字「当てはめていく」だけだと、なんだかチープで非常に情報量の少ない歌詞になってしまうというのは先に出した例によって明らかかと思います。
日本語で使える音数は非常に限られているのです。

で、どうすればいいかと言うと、個別の難点についてはいくつかの対処法があり、その一例は既に示しました。
で、桑田佳祐や、もっと遡れば「はっぴぃえんど」が、様々な「日本語の音節の処理」について頭を悩ませ、発明を繰り返してきたわけです。
そして現在、我々は米津玄師という日本語歌唱の革命家を目撃している真っ最中です。

あるいは、俳句や短歌のようにしっかりと言葉を練りこんで、たとえガチガチに一音に一文字であろうとも魅力的な歌詞を書いている人が志村さんをはじめ、確実にいます。

楽譜に起こせないボーカルの魅力

誰これ?(著作権フリー素材)

先ほど例に出した『太陽は罪な奴』のサビの部分、あるいは米津玄師のスピーディーな【二重母音】や【子音だけでわかる発音】の部分を楽譜に起こしたとして、それだけでは本人がどういう風に歌っているのか、実際に聞かないとわからなくなってきます。
したがってこれらの曲が音楽の教科書に載ることはないでしょう。歌い方がわからないのだから。

お年寄りが「今の曲は難しい」と言う理由のひとつは、そういうところにあると思います。
「さ/く/ら/さ/く/ら」とか「う/さ/ぎ/お/い/し」に慣れ親しんだ人からしたらサザンやミスチル、宇多田、米津、もしくはラップ等の、一つの音符にいくつも文字が入るような音楽は理解しがたいものだろうと思います。

そういや中学校の時、卒業式でなぜかMr.Childrenの「終わりなき旅」を歌わされたんですが、あれはなんだったんでしょう。・・・・あれ、なんだったんですか?マジで。
親に「なんであんな難しい曲歌ってたん?」って聞かれて「知らんがな」と答えたのを覚えています。

一方で「贈る言葉」とか「サライ」は、それこそこの曲を聞いたことがない人でも楽譜が読めれば歌えると思います。
ただし、やっぱり、「贈る言葉」も武田鉄矢が歌うと「やっぱこれこれ」と思います。
あのタメやしゃくりがあってこその、ボーカリストとしての武田鉄矢なのだろう、と。

そういう、楽譜に起こせない息遣いや癖といったところにボーカリストの魅力がでるのだろうと思っています。そして歌詞という文字をどれだけ音声に変換して歌い上げることができるか。

くぅれ〜〜なずぅ〜んむ〜〜まぁちぃんの〜〜〜ぅお

(実際に聞くと意外とあっさり歌っているパターンのやつ)

海援隊「贈る言葉」

このへんで終わります

なんかよくわからない結びになってしまいましたが、最後に、ある人物を紹介して終わりたいと思います。紹介も何もって感じの人ですが。

歌詞を書いていてわけがわからなくなることがよくあります。
適当に「ファック」とか入れたくなります。意味はまぁあれなんですけど笑、1音あれば入れられるんで、すっごい便利なんです。

これ伝わるか?とか、何が言いたいんや?とか。そう言う時に、まぁいろいろな曲を聞いて「うまい載せ方」とかを探したりするんですが、最終的にこの人の曲を聞くと、それらは全部「方法論でしかない」という結論に至ってしまいます。
(そして実際に歌う本人、ボーカルであり作曲者であるちくげ先生に雑に丸投げします)

そのある人物は、何百曲という楽曲を持っていて、ヒットソングも数えきれないほどあります。日本を代表する、もうめちゃくちゃ代表するシンガーソングライターです。
この人の楽曲は、音への歌詞の乗せ方自体は楽譜に書いてしまえば全然平坦に思えますが、この人の独特の歌唱法は唯一無二です。

その人物は、100人のアメリカ人音大生が分析した結果、日本一の「天才」と評されております。
歌詞の細かいニュアンスまでわからないだろう、アメリカ人から!
(この記事の出展の信頼性のほどは知りませんが、別に驚きませんでした。)

100人のアメリカ人音大生が分析した日本の音楽 才能と人数の関係性が面白い!
アメリカ人音大生が分析した日本の音楽、才能と人数の関係性という面白いものを見かけたのでご紹介♪まずはご覧ください・縦軸 : 才能  上から、 天才 → 音楽家 → パフォーマー → ダンサー → 家畜・横軸 : 人数  左から、 一人 →

それでは最後に聞いていただきましょう。

 

さだまさしで「関白宣言」

関白宣言

 

「なーんや」と思いました?

古臭い前時代の遺物、おしゃべり骨人間やと思ってるでしょう!!
暗くて湿っぽい、不幸おしゃべりハゲ出っ歯やと思ってるでしょう!!
説教くさくて地味な、おじいちゃんおばあちゃんしか聞かない変態曇りメガネやと!!

ひどいよ!!!

そういう人にこそ、あらためてちゃんとさだまさしを聞いてほしい。おれはまさしでめちゃくちゃ泣いてる。

「さだまさしナイト」しようぜ。

タイトルとURLをコピーしました