1st EP
ギーク襲来
2018年9月1日発売
- LANDING ON THE EARTH Music Video
- GEEK OUT! Music Video
- 量子論 QUANTUM THEORY
- リピート REPEAT Music Video
- 蹄の歌 SONG OF HOOVES
ACR-0004 1,000円+税
PRODUCED BY GEEK! GEEK! GEEK!:ちくげ マツミヤカズト zue
ALL MUSIC WRITTEN BY ちくげ
ALL LYRICS WRITTEN BY マツミヤカズト
GUESTS RECORDED, MIXED &MASTERED BY 森脇大佑/STUDIO TORIGORO THANKS! TO
Drums: 宮本慎也 from luruQl (M1,M3)
Drums: 柳本啓太 from POLU (M4,M5)
Horn/Trombone: もきを from luruQl (M4,M5)
Trumpet: 松本航輝 (M4,M5)
Alto sax: 宮武典子 (M5)
Chorus: 加賀ノ一向 from THE NINJA (M5)
Chorus: 橋本脩平 (M5)
Chorus: 篤香 from bandneon (M5)
Chorus: 石川慶子 from luruQl (M5)
ART DIRECTION & DESIGNED BY Matt Creatives
JACKET ART PAINTED BY アサミヤカオリ
PR BY 岡部斗夢
STUDIO TORIGORO, Coconuts Studio, club GRINDHOUSE, CROWBAR, AQUA CITTA,
関わってくれたすべての人たち
徳島 club GRINDHOUSE 長谷川氏によるライナーノーツ
2018年1月22日、悲しいニュースが耳に入ってくる。
〝bandneon活動休止〟
内部事情を知らない訳じゃないから、こういう事態が起こることを予想出来てはいたが、それでも現実として発表されてしまうと、「どうにかならんかったんか」という想いでいっぱいになる。
bandneonはとても稀有な存在のバンド。
徳島を拠点に活動しながらも、徳島、香川、大阪と住んでいる場所はバラバラ。更に全員ちゃんとした仕事に就いている。 ここまでバンド活動に不利な要素ばかりでも、それでも精力的に作品を発表し、ライブ活動を行い、着々と高評価を得て来た。
地方中の地方、徳島のライブハウスで働く自分にとって、ここまで誇れる地元バンドはいない。
進学、就職で県外へ。若いバンドが活動を止める一番の理由があっても「bandneonがいるじゃん」と言えば、悩むバンドの希望にもなる。 勿論、そんな簡単なことじゃない、誰にでも出来ることじゃない、と分かっていても、実際に続けられているバンドがいるのといないのとでは大違いだ。
「ツライチ。」
なんて珍しく本音をSNSに投稿した直後、bandneonのブレーンちくげさんからLINEが入る。
「まだ何も決まってないけど松美(マツミヤカズト)と2人で音楽活動続けるよ!」
語弊を恐れず言うならば、bandneonとはちくげと松美のバンドだ。思わず敬称略してしまうくらい、2人の存在感は光っている。
勿論、あっこちゃんの歌声あってこそだし、軍曹くんのタイトなリズムも良い。個性的なメンバーをまとめつつ、忙しい中営業活動をしていたバンくんも凄い。
だけど、それも全て分かった上で、やっぱりbandneonはちくげと松美のバンドだ(敬称略2回目)。数ある名曲の中でも代表曲として名高い「恋するポラリス」の一節、
形のないそれは恋という魔法
終わりのないそれは恋という光
こんなロマンティックな言葉、こんなロマンティックなメロディーが、あんな面白おじさんたちから飛び出して来たなんて、、、
ちくげさんが作る曲に松美さんが歌詞を乗せる、そんな2人への安心感はまさに細野晴臣と松本隆の様な、聴く側としては絶大な信頼を置けるコンビ関係。
そんな2人がまた一緒に音楽を作り出す。
と、前置きが長くなったが、遂に徳島のはっぴぃえんどこと、ちくげ×松美による新プロジェクトGEEK! GEEK! GEEK!の初音源がここに届く。
2人が始めたという情報しかなく、誰が歌うのか、何のパートをするのか、他にメンバーはいるのか?何も分からないまま聴いてみてビックリ!
1曲目の「LANDING ON THE EARTH」はデジタルな打ち込みのリズムパターンを軸にノイジーなギターが乗っかるインスト曲である。
いきなりbandneonのイメージをガラッと塗り替え、良い意味で期待は裏切られたが、緻密に練り上げられたビートに絡むギター、生ドラムの絶妙なバランスは、紛れもないちくげサウンド。
続く2曲目の「GEEK OUT!」では、ケチャを彷彿とさせる民族的な男声合唱からタイトな打ち込みのリズムにノイジーなギターが乗っかる、という、冒頭から奇天烈な展開ながらも、歌い始めた瞬間bandneon時代から引き継ぐ甘いメロディー。
復讐の火なんてさ
消えちゃえばそんなもんか
太陽の火はいつも
僕らを照らしているんだ
声を上げよ
幕を上げよ
この一節が、きっと不本意な形で活動休止という選択をし、衝動的に始めたであろう新バンドの決意の表れの様な気がして、胸に刺さる。
3曲目「量子論」、4曲目「リピート」は先述した2曲までのデジタルかつノイジーなサウンドは少し影を潜め、王道な歌モノ楽曲となっている。
と言っても勿論そのサウンドメイクは一筋縄じゃいかず、「リピート」ではホーンを大胆にフィーチャーしつつも、デジタルなサウンドも取り入れた新感覚なジャジーなサウンド。
そして最後はbandneon時代にも演奏していた「蹄の歌」。
5分近い楽曲の半分以上を「WOW〜」の合唱に費やす、という大胆アレンジながらも、要所に取り入れられたホーンのパッセージ、リヴァービーなギターについ情景を思い浮かべてしまう。
アルバムを一通り聴いて、これは紛れもなくちくげさんの音で、松美さんの言葉だ。
いつだって新しい何かを探し求めている。
GEEK! GEEK! GEEK!
2人と同じく徳島を代表するクリエイターでもある鈴江純矢氏(zue)を招き、文字通り卓越した知識のあるオタク3人が産み出す現在進行形のロックミュージック。
偶然にも手に取った全ての皆さんの心を満足させる名盤になること間違いなし。
最後にずっと聞きたかったけど、直接は聞けなかったことをここに。
結局、この甘い歌声は誰なの?
徳島club GRINDHOUSE 店長 長谷川洋星